anothr story

□5刻の侍
2ページ/5ページ

「どうかしたの?」

「どうもしとらん」


ぐぅぅ〜


「……。」


「…これ食べる?」


「せ、拙者は、侍だ!
子供から飯をもらうなど、末代までの恥じ…!」


「餓死も十分恥じよ。
それにあまり歳変わらないじゃない。」


「……」


「え?」


「…戦には出た」


「ふーん。だから?」


「お前より強い」


「当たり前じゃない」



よくわからない人。

桜の木の下で会ったとき、素直にそう思った。


腹が減っているなら、
握り飯を早く食べればいいのに、


何刻もかかって食べるのだもの。


呆れたお侍だわ。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ