anothr story
□5刻の侍
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「どうかしたの?」
「どうもしとらん」
ぐぅぅ〜
「……。」
「…これ食べる?」
「せ、拙者は、侍だ!
子供から飯をもらうなど、末代までの恥じ…!」
「餓死も十分恥じよ。
それにあまり歳変わらないじゃない。」
「……」
「え?」
「…戦には出た」
「ふーん。だから?」
「お前より強い」
「当たり前じゃない」
よくわからない人。
桜の木の下で会ったとき、素直にそう思った。
腹が減っているなら、
握り飯を早く食べればいいのに、
何刻もかかって食べるのだもの。
呆れたお侍だわ。