◆突発◆

□突発
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暗闇の中でぼんやりと寝顔を眺めるのが日課だった。



『in the dark』






行為の後はいつだってオレが先に寝てしまう。

オレが女役の所為なのか、単に二人の体力の差なのかは分からないけれど、気付けばいつだってオレは夢の中だ。少なくとも記憶にある限り、オレはカカシ先生より後に寝た事はない。

だけど、だからってカカシ先生の寝顔を知らないわけじゃない。

むしろ、よく知ってるって言うのが正解だと思う。

オレってば疲れて寝ちゃうけど、実は九尾の回復力と元々眠りが浅い事も手伝って二時間もしたら目が覚めてるんだってばよ。

だから普通に一緒に寝たときでも夜中には起きてる。

起きて、カカシ先生の顔を見てる。


普段眠たそうに重たげな目蓋が、今はピッタリと閉じて、思いの他長い睫が時折揺れる。

日の光でも綺麗だけど、月明かりを反射して銀糸の髪がより一層キラキラ光る。

いつもは口布に隠されて見えない唇が薄く開いて呼吸を繰り返す。


どこを見ても、綺麗だと思う。

それぞれの形も整ってるし、その配置具合も絶妙。先生は『そんな事ないよ』って笑ってたけど、相当モテるって噂は真実だと思う。

だってこんなにカッコいいんだもん。

………そんな事を考えながら、次の眠気の波が来るまでカカシ先生を見つめてるオレ。

どうか、このまま気付かないで寝ていて欲しい。

きっとカカシ先生の目が開いて、こっちをじっと見つめられたらドキドキしてオレが落ち着いてカカシ先生を見つめられないもん。

だから今は秘密の時間。

オレは身じろぎもせず、ただじっとカカシ先生を見つめてる。



暗闇の中で、小さな幸せ。




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08.02.06
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