◆突発◆
□突発
20ページ/39ページ
俺にとっての『一番』に君を選ぶことは出来なかったけれど、
君より優先すべきことがあったけれど、
会ったのなんて数えるほどだったけれど、
俺は君が好きだった。
言わなかったけれど、とても大事に思っていたんだ。
『Promise-0』
君の笑顔はいつも俺をほっとさせてくれた。
辛いとか、苦しいとか、きついとか、俺だって思う事はあるわけで……だけどそれを鬼鮫や他の『暁』のメンバーに見せるわけにもいかないわけで。
そんな時君の笑顔を見ると、気分がすごく楽になった。
君が側に居るだけで、胸につかえた重いものがスッと軽くなるような気がした。
君の笑顔が俺の支えになってた。
それを言ってあげたら、君はどんな顔をしただろう。照れて赤くなるんなら、そんな君を見るのも楽しかったかもしれない。
もうそれは適わないけれど。
自分にもう時間がないと気付いてから、気を抜くといつだって君の事を考えている。
『暁』の事とか、
サスケの事とか、
自分のこれから、
考えればどうしても暗い、重い、沈んだ気持ちになる。
どうにもならないと、そうなる事は分かっていたと覚悟は出来ていても、それが悲しくないわけでもない。
辛いものは辛い。
現実と、理想と、君への想いと、いろんな物がごちゃ混ぜになって頭の中を渦巻いている。
そしてやがて考えすぎると、気が抜けて、考えが飛んで、気付いたら頭の中は君でいっぱいになってる。眩しい君の笑顔が俺の思考を埋め尽くす。
もう一度この眼で見る事が適うならば…と何度願ったかしれない。
『 すべてを捨てて、
見ない振りをして、
ナルトを選びますか? 』
でも俺の中にはそんな選択肢など存在しない。
たとえそれがうちはの仇だとしても、誰にも死んでほしくなんてないし、もう忍界大戦のような戦争など起きないでほしい。そんな世界でサスケが無事に、幸せに、自由に、生きていてくれるのなら…。
それが確実に保障されるなら、
そうしたら……
………君を選ぶ事も出来たかもしれないけれど。
『木ノ葉』も『世界』も『サスケ』も、
このままでは……――
そうなれば君だって…
俺がどうしても変わらない未来もあるのだろうけれど、それでも何かを俺はやらなくていけない。
だから、君を選べない。
君の側にはいられない。
君を守るその為に、俺は君から離れよう。
君が笑い続けられる未来を守るために。
再会の約束は出来ない。
もう再会できない。
生きて、会う事はもうない。
それが分かっているのに、どうして約束なんて出来るだろう。
どうせ泣かせると分かっているのに、変に期待させてしまうほうがよっぽど罪ではないのか。俺はそんな嫌な男になりたいわけじゃない。
隠し事ばかりだけど、君に嘘はつきたくないから。
だけど、最後の最後で、俺は……――
だって、また会いたかった。
だって、また笑顔が見たかった。
それが、許されるのなら……
++++++++++
08.06.16
すいません、自分でもよく分かりません(アホ)