薔薇乙女小説の時間

□光の集い
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深夜フワフワと紅とピンクの光が空に浮いていた。

「はぁい。こんばんはぁ。ホーリエ、ベリーベル」

夜の闇の中に紫色の光が現れチカチカと点滅しながら二つの光に近づいていった。

「こんばんはなのだわ。メイメイ」

「うい〜お久しぶりなの〜」

ベリーベルと呼ばれたピンクの光が紅い光の背後に隠れながら挨拶した。

「相変わらずベリーベルは臆病ねぇ」

「う〜」

「まったく主人に似てダメダメな奴ですぅ」

突然からかうような声が聞こえてきて、翠と蒼の光が夜の眠りの町を鮮やかに彩るように現れた。

「そんなこと言ったらダメだよスィドリーム!」

「そんなに怒らなくてもいいじゃないですか〜レンピカ」

スィドリームと呼ばれた翠の光は拗ねたように小さい点滅した。

「まあまあ二人とも普段は仲良しの双子の人工精霊なんだから、喧嘩はしたらダメよぉ」

「うん。そうだね…ごめんスィドリーム」

レンピカと呼ばれた蒼光りは悲しそうに短く点滅した。

「レンピカ…確かにスイドリームも調子に乗って言いすぎたですぅ。ごめんなさいですぅベリーベル」

「ううん。全然気にしてないの〜」

「まあ何はともあれこれで全員そろったのだわ」「そうだね」

「ちょっと待つかしら!この天才人工精霊ピチカートを忘れてないかしら!!」

「「「「「あっ!完全に忘れてた」」」」」

「みんなひどいかしら〜!(泣)」

遅れてきた黄色いピチカートと名のる光は悲しそうにユラユラと揺れている。

「ごめんね」

「レンピカこんな奴に謝る必要はないですぅ。だいたい遅れてくる奴が悪いんですぅ」

「うっ」

「そうね時間に遅れてくるのは感心しないのだわ」

「ううっ」

「まあまあみんな。せっかく全員が同じ時代に目が覚めたんだから仲良くしようよ」

「そうねぇ。でもピチカート本当に遅かったわねぇ。何かあったの?」

「じ、実はご主人様がちょっとしたドジをしちゃって、今まで大変だったのかしら」

ピチカートは疲れたように小さく光った。
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