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□嘘ついてみよう
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今日は嘘をついても文句を言われない日。
エイプリルフール。
と言う訳で、俺、凌統は今から嘘をつきに行きます。
「まずはアイツから…♪」
弾む足取り。
目指すはもちろん…―
「甘寧ッ!!」
「おぅ、どうした?」
良い天気だからって呑気に昼寝なんかしやがって。
そんな君にサプラ〜イズ!!
「あっ、あのな…」
「何だよ、急に?」
ちゃっかし甘寧の隣りに座り込む。
スタンバイオーケー。
「今まで言えなかったけど、俺…本当は甘寧のこと…」
目線は斜め下に向けて、ほんのり赤く染まった頬をPRしてみる。
たまにちらりと目線を甘寧に向けてやるオマケ付き。
うん、ナイス役者だ俺。
「りょっ、凌統!?」
「俺…、甘寧のことずっと前から好きだったんだ」
言ったー!
さぁ、どう出る甘寧ッ!?
内心吹き出しそうになるのを堪え、甘寧の反応を見る。チラリ。
「………」
固まって、黙り込んだまま反応の無い甘寧。
もしかして引いたか?
そしたら普通に殴ってやる。
「甘ね…」
「凌統―――!!」
名を読ぼうとした瞬間、凄い勢いで抱き着いて来やがった。
おっ、重い…
支えきれなくて甘寧が俺に覆い被さるような体系になる。
「ちょっ、重いっての」
「俺もずっと前からお前のことを…」
…嘘だろ?
呆れると同時に人の話を聞けと怒りたくなる。
そして、何か妙なものが当たってるんですけれど…。
ナニとは言わないが。
とにかく、独り本気にして暴走しているコイツを止めなければ…
「甘寧ッ、今日はエイプリルフールだから」
「そんなのどうでもいい!凌統…結婚しよう」
あぁ、こうなったらもう止められない。
止めるのめんどくさい。
こうなったら…。
「チェストーぉっ!!」
思いっきり殴ってやった。
しばらくは起きまい。
やっぱり馬鹿に嘘は通じないか…。





甘寧への嘘…失敗





「次は誰にしようかなぁ…」
甘寧みたいな奴はもう相手にしたくない。
正直疲れる。
じゃぁ、正反対に真面目そうな奴と言ったら…。
「アイツだ…」






「むっ…、公績か?」
「久しぶり、曹丕」
こいつならどう反応するかな♪
真面目な奴と言ったら曹丕じゃないかと考えわざわざ魏までやって来た。
さて、やってみるか。
期待に胸を震わせて早速チャレンジ。
「曹丕…俺、ずっと前から曹丕のこと…」
「あぁ、言わずとも分かっている」
おいおい、まだ全て言い終わって無いんですけど。
「お前から会いにくる位だ。さぁ、行こう公績」
行こうって何処へだよ!?
手を引っ張られ無理矢理連れてこられた部屋は明らかに寝室。
「なっ…」
「公績、愛してる」
どいつもこいつも何独りで暴走しとんじゃぁぁぁぁあ!!
逃げようとするが腕を掴まれてるからどうしようもない。
「さぁ、公績…」
俺の服に手を掛けようとする曹丕。
脱がされてたまるか!!
「嫌だぁぁ!!今日はエイプリルフールだって。嘘なの!嘘っ!!」
「ふっ…またそんな照れ隠しを」
「照れ隠しなんかじゃないっての!!」
「私の前で今さら恥ずかしがることはない」
「恥ずかしがってない!!」
「さぁ、時間はたっぷりあるぞ」
「離せぇぇぇ」


その後、寝室から腰を擦りながら出て来る凌統と左頬を真っ赤に腫らした曹丕が出て来るのを見掛けたとか。








曹丕への嘘…大失敗





教訓…もう嘘はつきません
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