物語
□僕らはイチゴ
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たとえていうなら僕らはあまずっぱいイチゴのようだ
僕がこの子のために用意したショートケーキを食べる綱吉を見てふとそんなことを思った
美味しそうに食べる綱吉に思わず笑みがこぼれる
「どうしたんですか?」
微笑む僕を見て綱吉が不思議そうに聞いた
「そのケーキ美味しい?」
「はい!特にイチゴが甘くて美味しいです!!」
イチゴ大好きなんですよ
へにゃりと音が聞こえてきそうな顔をして答えるこの子が可愛くて
一生懸命ケーキを食べるハムスターのようなこの子をずっと見ていた
「…もしかして、雲雀さんもケーキ食べたいんですか???」
「……そうだね、イチゴが食べたいな」
「イチゴですか!??イチゴは…もう食べちゃいましたよ…」
うーって唸る綱吉も可愛い…
きっとこの子は何をしても可愛いんだろうなと思って…つい苦笑してしまった
そんな僕を見て勘違いをしたらしい綱吉が涙目になりながら僕を見上げてきた
「ごめんなさい雲雀さん…俺、ケーキ買ってきます」
立ち上がって買いに行こうとする綱吉の腕を引っ張って抱き寄せた