物語

□僕にとって君は
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ある日突然言われた言葉に俺はただ呆然としてしまった




「ねぇ沢田…僕好きな子ができたんだけどどうしたらいいのかな?」




ホントはわかってた
あの人が俺なんかを見てくれるわけないって
わかってたんだ


それでも俺はあの人の隣に居たかった


たとえただの知り合いだと思われていたって傍にいたかった


その代償がこれだ




「ちょっと聞いてるの」


彼の声が耳元で聞こえて顔が熱くなってくる


「きいてましたよ?!!」
「なんで紅くなってるの」
「あ…あかいですか!?」
「うん」
「きっとあついからですよ!!」
「今冬だけど」
「〜〜〜っ…応接室は暖房が効きすぎてるんです!!」
「…ふぅん」


誤魔化せたかな…?


「で、さっきの話だけど」
「…何の話でしたっけ」
「好きな子と進展するにはどうしたらいいのかって話」


そんなの俺が聞きたい

どうしたら貴方と両想いになれるんですか

でもそんなこと聞けないから必死に誤魔化す


「ダメツナの俺にそんなこと聞かれてもわかりませんよ」

あはは…


乾いた笑いが応接室に響いた


それがまた俺を寂しくさせた



もう雲雀さんのこと諦めなくちゃ……
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