裏小説

嘆きの唄
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俺が好きなのは隣の席に座っている柊という奴だ
好き、だけど…柊は柊涼太という正真正銘男だ、俺と同じ
だけど、好きだから



「望くん?」

授業中机にうつ伏せていると隣で柊が困ったような声を出して肘で肩をつついてきた

「先生から目つけられてるよ?」

「良いよ別に」

『綾崎、またお前寝てんのかよー…』

日本史の片桐のほんわかした声が聞こえてきた、顔は見てないが苦笑してるに違いない

「だりぃもん」

「…綾崎授業まともに受けてないくせに成績良いからねー」

「でも5出してくれないじゃん片桐センセー」

「平常点を引いてるんだよー…」

「けち」

「…うん、時間潰してしまうから…ね、先に進めるからね」



そのまま続く片桐の授業
隣で一生懸命移している柊をちらりと見た

「よくそんなに頑張れるな、柊」

「…好きだもん」

「日本史の授業が?」

彼はその問いに答えなかった



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