裏小説

怪盗紳士
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午前3時、もうすぐ予告状 に書いてあった時間だ

「…アイツ、何処からやってくるんだぁ」

此処はあるホテルの屋上、風は寒いし一人だから寂しいし…早く出てこい
くしゅん、とくしゃみが出た。鼻水出てない事が幸運だ

「…大丈夫ですか、晴彦さん」

「あ、出たなバロンめ!」


姿は見えない…、奴は何処から出て来るのか
空からか、隣のビルからか…

「僕はこっちですよ」

…俺が入って来たドアからだった




「…あのさ、いつまでこれ続けるの」

大学の後輩、武藤克也。仮装倶楽部の彼はほぼデートをする時このように怪盗の仮装をして俺の前に現れる



「あと何で此処なんだ」

「そりゃあ此処で楽しむ為ですよ、晴彦さん」

ニコニコ笑ってマントを翻す、…コイツちゃっかり仮面(目だけ隠してる)まで付けてるよ


「楽しむって、此処あれじゃんラブホじゃんラブホ」

「ですね♪」

「ですね♪じゃないだろ、さすがに此処ではヤバいだろ」

「やっぱり?」

「当たり前だろ…」

溜め息まじりで呟く

「ああ、そうですよね。仕方ないです」


頭の中に無かったのかおい
俺たちの立場も考えろ





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