裏小説
□怪盗紳士
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午前3時、もうすぐ予告状 に書いてあった時間だ
「…アイツ、何処からやってくるんだぁ」
此処はあるホテルの屋上、風は寒いし一人だから寂しいし…早く出てこい
くしゅん、とくしゃみが出た。鼻水出てない事が幸運だ
「…大丈夫ですか、晴彦さん」
「あ、出たなバロンめ!」
姿は見えない…、奴は何処から出て来るのか
空からか、隣のビルからか…
「僕はこっちですよ」
…俺が入って来たドアからだった
「…あのさ、いつまでこれ続けるの」
大学の後輩、武藤克也。仮装倶楽部の彼はほぼデートをする時このように怪盗の仮装をして俺の前に現れる
「あと何で此処なんだ」
「そりゃあ此処で楽しむ為ですよ、晴彦さん」
ニコニコ笑ってマントを翻す、…コイツちゃっかり仮面(目だけ隠してる)まで付けてるよ
「楽しむって、此処あれじゃんラブホじゃんラブホ」
「ですね♪」
「ですね♪じゃないだろ、さすがに此処ではヤバいだろ」
「やっぱり?」
「当たり前だろ…」
溜め息まじりで呟く
「ああ、そうですよね。仕方ないです」
頭の中に無かったのかおい
俺たちの立場も考えろ