裏小説

君の事が好きだもん
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………カツカツカツ
ヒールの音が館内に響く、僕は隣で座っている浅倉の服の裾をぐっと握った

「みぃつけた」

『ぎゃー!』

画面いっぱいに映る血だらけで目が…目が…!
僕は気を失ってしまった





──────────



「…圭、おい大丈夫かよ」

「浅倉…、あれ映画は?」

「終わった、ったく怖がりな癖になんでああいうホラー映画を見ようとするんだお前は」

そう、このホラー映画に誘ったのは僕だ。怖いのは苦手だけどなんか気になるというか…、浅倉とだったら怖いのも紛れるかと思った
実際はあんまり効果無かったけど

「それより圭、腕離して欲しいんだけど」

「あ、ごめん」

…もうちょっと優しい言葉を掛けて欲しい、そう思った
もう大丈夫だ、とか怖かったな、とか俺が傍にいるとか…、きっと浅倉は気が付いてないと思うけど俺は彼が好きだ。周りからホモとかゲイとか言われるのが嫌だけど…、浅倉の事本気で好きだし


「あれ…、出ないの?」

「トイレ行きたいなって」

「行けば良いじゃんすぐ其処だし」

「男子トイレ人が多いんだよ」

「じゃあ…、多目的トイレ使えば良いじゃん」





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