裏小説
□嘆きの唄
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「んー…、好きな人だったら…ね」
「へー、じゃあ俺は?」
「望くん?え…えっと…」
くしゅっと彼は自分のシャツを掴んだ
顔をさっきよりも赤く染めて(耳たぶまで真っ赤だ)いる
「す…好きだから」
「じゃあキスとかしちゃっても良いわけ?」
「…うん」
「良いの?」
彼は返事を言う代わりに俺の唇に軽く当てるようなキスをした、キスだけでも熱が伝わる
「…………」
「…冗談だったとか、…無し、だから…ね」
「分かってるよ」
ただ嬉しかったから、彼が自分から俺にしてくれたって事が
二度目のキスをしようとした時に何処からか声が聞こえた
『綾崎、柊はそんな関係だったんだー…』
「…片桐センセー」
柊と顔を見合わせてるから片桐先生の顔は見えない
…彼は目を見開いて俺の後ろを見ている
「俺も混ぜてくれなーい?」
「嫌だ」
ちらりと後ろを見ると牛乳パックを片手に持っている片桐がいた、顔はかなりニヤケている
「ダメなのかなぁ?」
「ダメ、っていうより嫌だ」
「もしかしたら柊はお前よりも俺の方が好きなのかもよ?」
「…えっ、えっと…」
おいおい悩む事かよ…