裏小説

嘆きの唄
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「んー…、好きな人だったら…ね」

「へー、じゃあ俺は?」

「望くん?え…えっと…」

くしゅっと彼は自分のシャツを掴んだ
顔をさっきよりも赤く染めて(耳たぶまで真っ赤だ)いる

「す…好きだから」

「じゃあキスとかしちゃっても良いわけ?」

「…うん」

「良いの?」


彼は返事を言う代わりに俺の唇に軽く当てるようなキスをした、キスだけでも熱が伝わる


「…………」

「…冗談だったとか、…無し、だから…ね」

「分かってるよ」

ただ嬉しかったから、彼が自分から俺にしてくれたって事が
二度目のキスをしようとした時に何処からか声が聞こえた


『綾崎、柊はそんな関係だったんだー…』

「…片桐センセー」

柊と顔を見合わせてるから片桐先生の顔は見えない
…彼は目を見開いて俺の後ろを見ている

「俺も混ぜてくれなーい?」

「嫌だ」

ちらりと後ろを見ると牛乳パックを片手に持っている片桐がいた、顔はかなりニヤケている

「ダメなのかなぁ?」

「ダメ、っていうより嫌だ」

「もしかしたら柊はお前よりも俺の方が好きなのかもよ?」

「…えっ、えっと…」

おいおい悩む事かよ…



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