ZERO
□獣
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草木も眠り、月明かりの光が照らす夜
悪――ZEROは動き出す
<ナンデナンデナンデ!!!!>
夜のネオンの光は道を照らし、路地は影となり道をより一層引き立てる。
路地を必死に走る者がいた。
鈴がチリンチリンと音を鳴らす。
心はみるみるうちに染まっていく、大きな負の感情に飲み込まれていく。
どすっ
鈍い音をたてて倒れる者、赤黒い血は路地の闇に消えた。
<モットオオキクナラナクチャイケナイノ。モット・・・モット!!>
大きくなった負の感情は、どろりとした空気をまといながら出てくる。
魂の意識はもうない、大きな負の感情に飲み込まれた。
―――ここに、新たにZEROが誕生した。
哀れな魂をもとにして、もっと自分(ZERO)を大きくしようと…
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