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□終わり。
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ある日の深夜―・・・、

何となく、嫌な予感がした。

頭に浮かぶのは、

自分の恋人であり、ボンゴレ雲の守護者の雲雀恭弥。

黒曜にある骸のアジトから、並森の彼のアジトまで大した距離は無かったが、

普段骸が雲雀の元を訪れるコトはない。

でも、今日は何故か妙な胸騒ぎがする




「何故、でしょうかね・・・」




そう呟きながら、骸はアジトを飛び出した

深夜だからクロームや千種、犬も寝ている。

そのため、骸を止める者は居なかった

元より、黒曜に骸を止めようなどと言う、

怖い者知らずは居なかったが・・・
















走りながら、ふと顔を上げると、

空に満点の星空が広がっていた

思わず見惚れて足を止めると、

また嫌な予感が胸を過り、足を進めた

走り、走った。














―――――――――――・・・長い、ですね






これだけ走っているのに、雲雀のアジトには未だ着いていない

といっても大分近いでしょうが・・・

息が切れ、胸が苦しい









自分は本当に生きているのでしょうか?

静まり返った町の中、骸はふと考えた

試しに呼吸を止めてみる

息が切れている事もあり

苦しくて堪らなくなる

酸素が自分を求めている様で、何故かすごく嬉しかった










遠くから、叫び声がする

ハッとして、

あたりを見回すと、

少し遠くに火柱があがった

幻術か?

いや、そのハズは無い。

術師の自分がそんなに簡単に幻術を掛けられるハズがない、

嫌な予感が的中したようで怖かった





「雲雀ー・・・君・・・ッ」





顔を歪め呟く骸に答えるかのように、

火柱が上がった場所から

紫色の小さな物体が飛び出した

―・・・雲ハリネズミ?







「クフフ、予感は当たったのですね」







悲しそうに呟き、雲雀のアジトに向かって、

全速力で走った







「雲雀くん!!」



「骸っ!!」







既に、重傷とは言えなく、

軽傷と言うには重すぎる雲雀がいた

相手はミルフィオーレですか...

人数はざっと100から150らいでしょうか?

寝込みを襲うなんて・・・









骸はギリッ・・・と歯を噛みしめた

卑怯だ、卑怯としかいえない








「骸っ!!危ないっ!!」








気付けば、敵の嵐ハイエナに背後をとられていた

しまった・・・ッ

と思えばもう既に時遅し。

生身の人間が匣兵器に攻撃を喰らって生きていられるワケがない

それは自分も同じ事。

目を固くつぶって、迫りくるであろう痛みに備えた





ガッ










ドサッ
















鈍い音がした

強く瞑っていた目をなおさら強く瞑った。

10秒たったが痛みはない

そっと目を開けると、敵はもう一人もおらず

足元には虫の息の雲雀が転がっていた

僕を庇ったのか――――ッ







「起きなさいッ!!恭弥!!」



「・・・・」







返事はない

それが尚更、骸を追い詰める







「起きろっ!!起きてッ!!恭弥ッ.......」







どれだけ叫んでも返事はない

すぐにボンゴレの救護班が駆け付けた

遅れて、寝ていたのであろう大空のボス、沢田綱吉や他の守護者が集まってきた







「....................!!・・・雲雀さん」







沢田綱吉は顔を真っ青にして呟いた

何故そんな悲しそうな顔をするのです?

彼はまだ生きているのに、何故......

そんな顔をしたら彼が死んだみたいじゃないですか







「骸.........」



「辛れぇだろうけどよ、頑張れよな」







雨の守護者が、励ます様に僕の肩に手を置く

いつもは突っ掛かってる嵐の守護者もだ

雷の守護者は静かに泣きだすし、

イーピンでしたっけ?

あの子も泣いていました

晴れの守護者は顔を青くして沢田綱吉と何か話している







何故ですかッ

何故、彼が死んだような反応をするのですッ

脈をとろうと、医療班を搔き分けて彼の腕をとると

もはや冷たく硬くなっていた








「骸.....」









いつのまにか横に来ていた沢田綱吉が僕に辛そうな声をかける








「嫌な、予感がしたんです」

「うん、」

「彼が、雲雀くんがッ、何所かに行ってしまうような、気が、してッ」

「うん、」

「走ったんです。一生懸命。走ったのにッ、なのに....」

「骸、無理しないで」








涙が止まらない





溢れてくる





憎いマフィアの前で泣くなんて、絶対に嫌だ





でも、あふれてくる






止まらない






視界がぼやけて、






鼻の奥が熱くなって






吐き気がする






辛い






イタイ






心が、






壊れる






怖い、






怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い









「昨日までッ、元気だったのに・・・笑いッあったのに」

「骸ッ、もういいからッ......」








沢田綱吉が苦しそうな顔して僕を止めようとする

止めたい、止まらない







「元気で、いつも通りに毒舌吐きあって、今度、一緒に出かけようって.....」

「むくッ」

「僕が出しゃばったから、恭弥が.......ッ」

「骸!!もうッ」

「なのに........ああ゛ぁ゛ッ..........う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ................」

「もうッ....骸、お前は、もう....」

「ぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああッ」








ボンゴレの腕の中で泣いて、泣いて、泣きまくった

昨日まで、いままで沢山僕等は幸せだったから

神様は僕から恭弥を奪ったのですか?






今まで笑った分、

僕は今泣くのですか?

まこと、上手くできた世界だ









「うッ.....ひッ.............あぁぁぁぁぁあ゛」

「骸、今はもう寝ろ」








いつの間にか超・死ぬ気モードになった沢田綱吉に僕は

首を手刀で殴られ、

静かに意識を手放した。


















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あとがき
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閉じた光聞いてて思い浮かんだ。

RADは神だと思うww
 

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