戦場の舞姫(イクサバノプリマドンナ)

□入隊式と陰謀の渦?
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関東図書基地独身女子寮の朝は結構騒がしい。
女が三人で姦しいと言うが、何人いるのかは寮長とかしか知らない。
「ちょ…ごめん、急いでるから通して!」
「堂上ちゃん何処行くの?って階段から落ちるな!!」
「あたしの化粧水どこ?!」
「ねぇ、乳液がカラなんだけど…」
「寝癖がぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
一応、ここで暮らしているのは皆、妙齢の女性である。だが朝なんてこんなもんだ。
洗面所はいつも通りうるさい。非番の人はもう少し後にしろとか言ったって無駄。彼氏とのデートを理由に朝っぱらから居る。
「よっこらしょい…ちょっとあんた太ったでしょ。」
「ひど、あんたのほうがよっぽど…ほんとに食ってる?」
「一応朝昼晩としっかり食ってるよ。」
細く、小さな体を駆使して、込み合った洗面所から脱出した葵は、階段を駆け下りながら儀礼服の上着のボタンを必死に留める。
「ったく、田中の裏切り者!!!!!!!!」
「堂上、新人教育って結構重労働だからね。」
「んなことわかってますから。胃に穴開かない程度にがんばりますよ。」
ただでさえ今日は入隊式の日。ドタバタとしているのは当たり前なのだ。
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