ハリーポッターとカミツレの姫君

□オオカミにはご用心?!
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日のあたる、明るい森の奥を一人の少女が歩いていた。
彼女に道を聞かれた近くの村人は皆、行かない方がいいと止めたのだが、漆黒のマントをはおった少女は用事で伯父の家へと行くのだと言って、森へとはいって行った。
しばらく歩き、夕焼けも完全に消えて、空には満月が浮かんでいた。
「っと、あの家…かな?」
ログハウスのような雰囲気のこぎれいな家が、森の開けた場所にあった。
その後ろには大きく、美しい真夏の満月が浮かぶ。
その満月の中に、逆光で漆黒に輝く動物のシルエット。
「……ルーピン?だよね…あれは確実に……」
『ワ……ワオォォ!……』
「やっぱり。」
少女の存在に気付いた狼男は自宅の煙突の上から恐ろしい跳躍力をみせ、少女の十mほど手前に飛び降りる。
「ヤバいかな。」
困ったような笑ったような顔で、飛び降りてきたケモノを見据え、荷物をおろしてマントをとる。
「ちょっと過激な御挨拶…だよね。うん。部隊の連中よりはマシか。」
そう呟いている間にも、ソレは近づいてゆき、あと少しで少女の喉笛を噛み切れるほどの距離になった時、少女の左足が上へと動き、ソレは天高く蹴り飛ばされた。
「怪我、させないようにしなきゃ、駄目だよね。」
マントの下から出てきたのは、モスグリーンの戦闘服に身を包んだ戦闘員。
そして、戦闘用のブーツを履いた足に蹴飛ばされたソレは再び少女に近づき、今度は投げ飛ばされる。
しばらくそれを繰り返すとソレは疲れ果てて眠った。
少女は、眠ってしまったそれを抱えて家に向かって歩いて行った。
これが、アオイとリーマスのファーストコンタクトだった。
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