ハリーポッターとカミツレの姫君

□杖とローブと機関銃
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リーマスの家へ来て数日がたった。
あの晩、たまたま『おくすり』を飲み忘れていたリーマスは記憶には無いが、私は容赦なく彼を昏倒させた。あの状況じゃ自分の命最優先である。
つまり、彼は私の戦闘力に全く気付いていない。
今のところ親の居ない、哀れな少女と言ったところ。つーか私は二十歳だぞ。
「おはようございます!」
「あぁ、おはようアオイ。今日はダイアゴン横町に買い物だよ。準備はしてあるよね?」
「ばっちり、いつでも出れます。」
シンプルな黒いスラックスに、白いシャツ、足元は一番動きやすく履きなれた戦闘用のブーツ。
「服装は良いが、そのブーツは…」
「いいじゃない、動きやすいし、迷子を襲うおじさまを蹴飛ばすのにはちょうどいいでしょう。」
まだ競技用スパイクではない分かわいいだろうが。それにマクゴナガルが買ってきたピンヒールは動きにくい。
「ま、いいか。それじゃぁ行こうか。」
「はーい。」
こうして私たちは漏れ鍋の暖炉へと飛んでゆくのだった。



世界とは、そう旨く出来ていないのだよ。
「だ、だいがごゲフ!横町」
…リーマス・ルーピンの目の前で、シンプルな服装の少女が一人、緑色の炎に包まれてどこかへ消える。
いったいどこへ?それはまさしく、彼女が時々使う日本語のことわざ、神の味噌汁であろう。
日本のスープとしてポピュラーな味噌汁は、家庭によって何が入っているか分からないことがある。そしてそれは神様であっても同じであるといった意味で、神様すらも分からないことを指すらしい。
「アオイ?…どうしたらいいんだぁー!!」
独身男が一人、預かった娘が行方不明になったために雄たけびを上げていた。
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