戦場の舞姫(イクサバノプリマドンナ)

□入隊式と陰謀の渦?
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「堂上さん、ケチャップつけないようにね。」
「わかってる…てか、子供じゃないからね。」
「いや、お前のサイズを見ているとこう…なんというか抱き枕にしたくなる。」
男女共同区画である食堂。同期の男子隊員数名にからかわれつつオムライスと牛丼を完食する葵。
「どうしてあんたらはいつまでたっても人の事子供扱いするのよ。訓練でやったらどうなるか知ってるくせに。」
「いやぁ、訓練とプライベートは別物でしょ。」
「おお、別物だ。そして堂上のプライベートと言ったら九割読書が占めているだろうな。」
「お前も同じぐらいだろ。」
そんな会話も日常のうち。どんなに急いでいてもこの食堂はのんびりとしている。
「ほらほらあんた達、今日は後輩が来るんでしょ。堂上も教官になるんだから、急がないと新人に示しがつかないでしょ。」
「「「はーい」」」
「じゃぁ、急ぎなさい。」
「やば、時間間に合うかなぁ。」
「お前の足なら三十秒で着くだろ。」
「いや、世界記録レベルをはじき出して十五秒。」
「あたしはモンスターマシンじゃねーぞ。一応人間であり、一キロを三十秒はキツイ。三分だ。」
「いや、三分でも十分早いと思うけど…」
「ジャぁ五分で着く。」
食事を終え、食器を返却口に入れて全力ダッシュで会場へと向かう。会場に八時半に居れば良いはずだから十分間に合う。あと五分だが。
「お、遅刻寸前か?」
「このあたしが遅刻なんてするとでも?!」
「そうだったな。」
途中で会った官舎管理のおじさんと少し話し、とにかく急いで会場となっているホールへと向かう。
途中で大量の本を運んでいた隊員にぶつかりそうになったがギリギリで避け、ほとんど減速はしない。むしろしている時間がない。
八時二十五分にホールに到着する。
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