ハリーポッターとカミツレの姫君

□杖とローブと機関銃
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「だ、だいがごゲフ!横町」
リーマス・ルーピンは預かった少女を探すべく、彼女と同じ発音で煙突飛行を行った。
「ここは、ノクターンじゃないか!」
少々ガサツな所もあるが、小柄でくるくるとよく動き回る少女を思い、店の外へと出る。
「アオイ!どこだ!」
探していた少女が笑いながらプラチナブロンドの男と歩いているところを発見するのに時間はかからなかった。
「…なんでまた…マルフォイなんかと一緒に居るかなぁ…」
二人の姿はどう見ても迷子と保護した人物。しかしなぜ彼女は笑っているのだろうか?
よっぽどアイツの話が面白いのだろうか?
声をかけずにこっそりと、学生時代にいたずらをかけたあの時のように静かに後をつける。
彼女に何かしようとしたら、いつでも攻撃できるように杖を握りしめて(折れない程度で)。
「ほら、ダイアゴン横町グリンゴッツ銀行の前だ。連れは探すよりここで待っていれば現れるだろう。」
「ありがとうございました!」
ぺこりとお辞儀をするアオイ。
なぜあんな奴に頭を下げるのだろうか?
そうして、マルフォイがいつの間にか隣へ来ていることに気付かなかったリーマスであった。
「なにをこそこそしているのでしょうかリーマス・ルーピン。」
「ヒエァ?!」
学生時代の、超めんどくさい先輩に声をかけられたリーマスは飛び上がり、たまたま頭上にあったプラチナブロンドのアゴに脳天をぶつけ、容赦なくアゴが頭に突き刺さる。
「な、何をいったい…」
アゴを抑えたプラチナブロンドの男と顔を見合わせながら頭を押さえる。
「ま、マルフォイさんじゃありませんか。いったいなぜここに。」
できるだけ平然を装って、必死に受け答えをする。
「ルーピンとかいう男とはぐれたアマを一人、道案内していただけだ。それより、貴方こそなぜこんな人ごみに?」
アゴの痛みをこらえて、必死に受け答えするマルフォイ。それはアオイが見たら上官並に、腹筋が痙攣して使い物にならなくなるまで笑うであろうシュールな光景。
「いや、連れを探していてね。あぁ、居た。アオイ!何処へ行っていたんだい?」
物陰から出て、アオイと合流する。
「あ、リーマス!ごめんなさい、迷子になっちゃって、探したでしょう。」
「いや、そんなことないよ。」
なんだかラブラブなカップルっぽく聞こえるのは放置。
「いよいよロリコンになったか。」
一人、物陰で呟くマルフォイだった。
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