ハリーポッターとカミツレの姫君

□汽車の中にて
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「なかなか空いてないなぁ…あのさ、ここ良いかな?他はいっぱいでさ。」
先ほどの黒髪の少年と、赤毛の一家の一人の居るコンパートメントを見つけた。
「いいよ、ぼくらも二人だけじゃ広いし。良いだろ?」
「うん。ぼくがハリー・ポッターで、そっちが」
「ロンだよ。ロナルド・ウィーズリー。」
二人は自己紹介をするので、私も名乗らなくては。
「あ、アオイよ。堂上アオイ。日本人だから、ファミリーネームが先に来るの。よろしくね。」
アオイが席に座り、本を開くと同時に発車の時刻となり、汽笛と共に静かに窓からの眺めが変わり始めた。
それから二人はクディッチの事や、寮の事、先生について、いろいろな事を話している。
一方で私はというと、相づちを入れつつ読書に没頭する。だって、コナン・ドイルがめちゃくちゃ面白いから(正当な理由にならなくても、これしか理由はない)。
「坊ちゃん達何か要るかい?」
お昼頃、車内販売のおばちゃんが回ってきて、ハリーとアオイはありったけの食料を買い込み、三人で食べることにした。
「へぇ、蛙チョコレートって、魔法で動く…なんで窓に?」
「あーあ、逃がしちゃった。」
「このカードって、ダンブルドアの事が書いて…あれ、写真が消えた。」
「カイワレ味まであったとは…」
この二人といると、楽しいと感じ始める自分に少しだけ驚いたアオイだった。
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