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□愛してる、なんて無責任
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バンッ

「愛してるぅー!!」

「いきなり入ってくるんじゃねぇ馬鹿!!」

「ひどいなぁ、隼人…王子、久しぶりに帰ってきたのに」

「ていうかセキュリティはどうした!どうやって鍵開けたんだよ!」

「ヴァリアークオリティだよ」

「乱用すんな!」

「ししっ…ごめんごめん。実はね、今から任務なんだよね」

「ああ、行ってら」

「あっさりしてるねボンゴレだけに」

「果てろよ死ね堕王子」

「ジョークジョーク」

「死ね」

「明日からさ、長期任務だし」

「そうかよ」

「S級だし」

「そうかよ」

「時間かかるんだよなぁー」

「そうかよ」

「隼人のこと愛してるからね?寂しくなったらいつでも電話して良いからね?任務中でも絶対出るから」

「真面目に仕事しろ馬鹿。電話しねぇし」

「メールでも良いよ?王子の画像付きで返信するから隼人の自分撮り画像付きで返信してね」

「しねぇよ馬鹿」

「自分撮りってさ…上目遣いになりがちだよね!隼人絶対可愛いって…」

「撮らねぇっつってんだろ変態か」

「うわ!もうこんな時間だし」

「仕事なんだろ?さっさと行け」

「うん…じゃあ隼人、電話してね!してくんなかったら王子からかけるけどさ」

「かけてくんな」

「冷たいなぁ…じゃあね、隼人愛してる」

バタン

「ちっ…言うだけ言って帰って行きやがった…」


「もう1ヶ月か…電話もメールも来ねぇじゃねぇか………ばーか」


愛してる、なんて無責任



(それから更に1ヶ月後、俺の元に届いた"ベルが任務中に死んだ"という知らせ)

目の前が真っ暗になった

俺から"愛してる"と言えないままで逝ってしまった

後悔してばかりで
ベルからもらった"愛してる"にしがみついたままで




月日は流れていった


終わり

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