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□空っぽの頭でだって考えた
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「ねえスクアーロ。キスしていい?」
「はぁ?アホかあ。なんで俺がオマエとんなことするんだあ」
この場合スクアーロの疑問は至極もっともだ。
だって俺はスクアーロにかなり本気で惚れちゃってるわけだけど実際のところ俺たちの仲にはなにもない。
好きとさえ伝えていない有様だった。
俺のことみっともないって思う?俺は思う。
だからそろそろいいんじゃないのかな。
つまりさあ、俺たちの関係性をなんか進展させるってことについてさ。
「はー。なにが。王子がしたいからだよー。ほら言ってみな。キスしてよって」
「やだ。なんかオマエ気持ちわるい」
「なにがだよ。なんてこと言うんだよ。もう王子超傷ついた!!」
あーあ。今日も失敗じゃん。もういい知らね。頭来る!!
けど大好きだよ。
ド畜生。
拗ねてソファにごろごろしたらスクアーロが読んでいた雑誌を放り出して俺を覗き込んできた。
なんかちょっと呆れた目をしてる。
「オマエさあ…天才だけどバカだよなあ」
「はあ゛?!なにが!この上王子に暴言吐く気?!」
「言い直せって言ってんの。最初から」
最初?最初から?
「…あ」
「おお」
「ねえスクアーロ。…大好き。キス、してもいい?」
「んー…だめ」
「えー!!なんで!?」
「待ったぶん俺がオマエにしてやるからなあ」
「!!」
空っぽの頭でだって考えた