treasure novels

□オモイノ ツタエカタ
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大好きだよ

愛してるよ

どうすれば……伝わるかな?


オモイノ ツタエカタ



「……ぁ んっ 」


誰もいない図書室。
閉館時間になり
鍵をかけた直後に

奪われる唇───


「───はぁっ」


肩で息をする
苦しくて仕方ないくらいの
激しいキスは

二人きりになると

もう

ずっと


「……誰か居たら、どうするの?」


離れて見えた余裕そうな緒方くんの顔に
ちょっとムッとして
聞いてみるけど……


「居ないのを確認してますから」

「じゃあ、誰か来たら?」

「鍵がかかっているのに?」


言い返せない。


「でも、ここ学校よ?」


いつも冷静な彼が悔しくて
正論を言う


「そんな事を言ったら。
教師と生徒がこういう関係にある事自体が問題でしょう」


真顔で

さらりと躱される。



……本当はね、知ってるの。

言葉にするのが苦手だから
わたしも緒方くんも
素直じゃないから。

こうして

確認している。

緒方くんがくれる
好きの気持ち………


「まあ、貴女がどうしても嫌だというのなら。
もう───」


言いかけた緒方くんの顔を引き寄せ
わたしから口付けた。

触れるだけのキスだけど

緒方くんの顔は、呆然とし
少し赤くなって。


「……嫌なんて、言ってないわ。
ただ……ドキドキする、だけで」


いつもの無表情を崩せた事が嬉しくて。
つい笑みが溢れる。

照れ隠しに眼鏡を直して
緒方くんがふ、と微笑んだ。


「でしたら。
問題はないでしょう───」


触れる唇から

お互いが伝え合う

大好きと

愛してるを。



───ねえ

わたしの気持ちも

ちゃんと伝わってる?───





fin



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