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□2014 シルフィード バースデー
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2014 シルフィード バースデー

「あやは」の珠さまからのサイト誕生日お祝い作品を頂きました。
同じ誕生日の姉妹サイトであるプラチナつぐむさまと2人で強くお願いして書いて頂いた作品です。
つぐむさまのとは別の作品ですよ。
珠さま、ありがとうございました!

☆☆☆


「ハッピーバースデー兄さん」
「んー?」
「誕生日だよ、兄さんの」
ベッドの中でモゾモゾと、エドワードは温もりを求めてアルフォンスに擦り寄った。
まだ寝ぼけているかのようで、苦笑しながら兄の肩に布団を掛け直す。
「今日は僕がご馳走作るよ」
「うーん…どうでも…寒い…」
いつも弟の誕生日は敏感なくせに、自分のことには誕生日どころか生命まで二の次三の次にしてしまう。
だから、アルフォンスは絶対に忘れない。
この世で一番愛しい人が生まれた日を。
そして、その時に自分がまだ存続しなかったことを、ほんの少しだけ悔やんでみたいもする。
洒落たレストランでの祝いも楽しかったが、去年からはこうして一日中のんびり過ごす誕生日を選らんでいた。日頃激務な二人にとっては、ゆっくりと過ぎていく時間こそが贅沢になりつつあった。
「アル…」
「なに?兄さん」
「もうちょっと…こうしてて…」
「うん」
ぎゅっと抱きしめ、兄に、兄が望むだけの温もりをあげられるのが嬉しい。
どうかまた一年、この一年、兄にとって安らかであるようにと祈る。
「…おまえに温めてもらうなんて、最高の誕生日だなぁ」
ため息のような呟きを残して、エドワードはまた夢の中に戻っていった。


終わり。

くーみん様@シルフィード、お誕生日おめでとうございます!
たま@あやはから愛を込めて!

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