お話

□セリフで15題
3ページ/5ページ


《いらないなら返して》





最近、徹夜続きで疲れている。
そんなクルーを心配したピンクのお姫様から、差し入れが届いた。
「栄養ドリンクねぇ…」
高級そうな栄養ドリンク片手に呟くオレ。
格納庫では整備士達が作業の手を休め、栄養ドリンクを飲んでいる。
「少佐、飲まねぇんですか?」
「ん、いや…」
モヤモヤした気持ちを上手く表現出来ないオレ。
まぁ、喉も渇いてるし…ありがたく飲んでおくか。





シャワーを浴びる気力も無く、ベッドに倒れ込む。
ウトウトしていると、ドアが開きディアッカが入ってきた。
「おっさん、何へばってんの?」
ディアッカの言葉に返す元気も無い。
無言のオレを、ディアッカが覗き込んできた。
「差し入れの栄養ドリンク、飲んでないの?」
「飲んだ」
「へぇ…飲んで、その状態なんだ」
笑いを含んだディアッカの言葉が面白くない。
「やっぱ、歳には勝てないんだな〜おっさん!」
「おっさんじゃ」
ディアッカの“おっさん”発言を訂正しようと、言葉を発したが、最後まで言えなかった。
ベッドに寝ころんだオレに、覆い被さったディアッカからの甘いキス。
「おまっ…反則だろ、それ」
普段は、頼んでもしてくれないキス。
「オレからの栄養ドリンク、どうだった?」
ニヤリと笑うディアッカの後頭部に手を回し、引き寄せる。
目の前のディアッカが可愛くて。
つい、顔が緩みニヤニヤしてたようだ。
「いらないなら返して」
何時ものディアッカの冷たい言葉を無視して、キスする。
「ありがとう、ディアッカ」



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ