お話

□迷子
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「本当によろしいのですか?少佐」
「あぁ」
「でも…」
「艦長さん、オレって頼りにならない?」
「いえ、そんな…少佐が引き受けて下さって、助かりました。キラ君達には、頼みにくいですし…」
「だろ〜ここは大人なオレの出番だよな」
「はぁ…でも、いいんですか?明日は、ディアッカ君の」
「艦長!俺達は遊びでここに居る訳じゃないんだ。それは、ディアッカだって理解してるさ」
「そうですね」
「じゃ、準備が整い次第、出発するな」

フラガ少佐は軽く手を挙げ、艦長室を出ていった。





久しぶりにぐっすり眠れたな……おっさん、夜勤だったかな?
自分の予想に反して、静かな朝を迎えたディアッカ。
ムウが顔をださない事を不思議に思いつつ食堂に向かう。
「おめでとう!坊主。今日、誕生日なんだろ?」
っと、ちょっと眠そうなマードックさんが、声をかけてきた。
「あぁ、ありがとう」
お礼を言い、マードックさんの前の席に座る。
朝食に手をつけず、辺りを見るオレに、どこか申し訳なさそうな表情のマードックさんが口を開く。
「すまんな、坊主。少佐が居なくて」
「へ?」
マードックさんの言っている事が理解出来ず、間抜けな声がでた。
「詳しくは知らないんだがな、少佐じゃなきゃ駄目な仕事らしくてな…夜中に出てったんだよ」
「へぇ…そう」

数日前から“誕生日のプレゼント、期待してろよ!”っと、騒いでいたおっさん。
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