お宝

□還る場所2
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「イザ―クが休みをくれないんだ」
「え?」
席につくなりの言葉に、僕はキョトンとしてディアッカを見た。
「って、ディアッカ今日仕事だったの?」
昼下がりのレストラン。久しぶりの休みに突然連絡を貰い来てみれば、ディアッカはすごく渋い顔をして奥の席に座り待っていた。だから僕は慌てて走り寄ったんだけど。
「馬鹿、んな訳あるかよ。服見りゃ分かるだろ」
はあぁ、と深い溜め息を付きつつ彼が言う。まぁ確かに、シンプルだけどセンスのある私服を今日の彼は身に纏っている。
「?じゃあ休み貰えてるんだよね。何で…」
「貰えねえのは連休」
テ―ブルに片肘を付き、頬杖をしながら彼は不貞腐れた様に言った。
「一緒にいられねぇのは最初から覚悟してたさ。やってきた事を途中で放棄する気は更々ないしね。だから…せめて二月に一度くらいは、さ」
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