お宝

□先手必勝
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「はい、オッサン」
「………へ?」
ポンと渡されたモノに、目を丸くして呆けるムウ。
「…え、っとぉ…コレって?」
「バレンタインチョコ、いらないの?」
「い、いります欲しいです…でも、どーゆー心境?いつもだったら渋るはずなのに…
「うん、だってオッサンあげないとうるさいだろ?だから、先手必勝
ガッツポーズをとりながら、勝ち誇った顔をするディア。
「う゛…貰ったのに微妙に嬉しくない
「だからぁ、欲しくないなら返せって…でも、ざぁんねんだなぁ?」
(…欲しくないなんて言ってないって)
勿体ぶって言うディアを恨みがましそうに見つめるムウだったが、次に聞いた言葉で完全に固まる。
「せーっかく、俺の手作りチョコだっていうのに、なぁ?」
「………え?」
そんなムウをお構いなしに言葉を続ける。
「昨日、いっしょーけんめーがぁんばって作ったってのに…勿体ないから、俺食べちゃおうかなぁ?」
「うわっタンマ
封を解いて、一個を口に入れようとして、慌ててムウはディアの指ごと口に含む。
「げ意地汚ねぇ…クスッ、どう?味は?」
ムウは、もごX2としながら答える。
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