お宝

□ほら・・・また
2ページ/11ページ


停戦も、平和条約も大切だと思う。けれど一番に必要なのは互いの心に残るしこりを取り除く事ではないかとそう思わない訳にはいかない。
鮮やかな笑顔で記者の求めに応じているカガリの姿を見るにつけ、全ての人が彼女のようであればと思わない訳でもない。
(そう考える自分もまた、同類なんだろうな…)
所詮、自分達が流させてしまった血の向こうにいる人々にとっては永遠に「奪ったもの」でしかない存在なのだと言う事を、戦争の度に思い知ってきた。
それでも、ナチュラルを恨まずにいられるのは長く”彼ら”とともにいられたからなのかもしれない。

「俺、部屋にいるから。みんなにも交代で休息を」
シャトルクルーにそう告げて、その場を後にすると、艦内の自室へと戻る。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ