お宝

□還る場所2
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あぁ、そういう事か。僕は納得し、淡く笑った。
「ムウさんに会いたい?」
「…っ」
彼の頬が赤くなる。次の瞬間にキッと睨まれたけど、照れ隠しなのは分かっていたので全然怖くなかった。
「ジュ―ル隊、今忙しいもんね。僕も名目上は白だけど、実質ラクスの傍で一番動いてる隊は君達の所だもの」
彼とムウさんの関係を知る人は、このプラントでは僕とラクス、後はイザ―クさん位だ。言いながら笑みを深める。その中でムウさんを一番知っている僕に愚痴りたかったのだろう。
「休みを取れないのも、今は仕方ないよ。忙しくてもメールのやり取りは出来るし、落ち着くまでは…」
我慢するしかないよ、と言い掛けて。僕は再び渋い顔つきになったディアッカに気付いた。
「…もしかして…してないの?」
聞いた途端、彼はプイと目を逸らす。
「…してないんじゃなく、メールさせてもらえねぇんだよ」
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