イチウリ小説

□少し早いクリスマス
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少し早いクリスマスプレゼント



「・・・・なんで、こうなるかな?」

「あぁ?」

「・・・・別に・・・・」



放課後。

黒崎に僕は数学を教えていた。
だいたい、黒崎は僕に説明なんか聞かなくても、わかるはずなのに・・・
なんで、今回だけは・・・黒崎・・・数学できないんだ??



「いや、だから・・・SinAはこうで・・・」

「こうか?」

「違う!さっきから、何回も説明してるだろ?だから、SinAは・・・」

「わっかんねえよ!だいたい、俺・・・三角比はキライなんだよ」

「・・・知らないよ、そんなこと」

「てめえ・・・」




黒崎は、ムっとした表情で、僕を睨んだが
そのまま、問題を解いた。



時刻は午後4時30分

もうそろそろ、部活に行かないと・・・
そう思った僕は黒崎に話しかけようとしたとき、問題と戦っていた
黒崎が、シャーペンを机に投げ出した。



「黒崎?」

「・・・なあ、石田・・・」

「ん?」

「・・・おまえさ、今から部活行くんだよな?」

「え・・・あ、うん・・・そうだけど・・・(何で僕が思ってることをわかったんだ?)」

「そっか、じゃあ俺も帰るわ」

「うん、あ!ごめん・・・数学・・・」

「いいって、別に・・・家帰ってもう1回しとくわ」

「うん。また分からなかったら、電話でもしてよ。教えるから」

「センキュー」



そんな会話をしながら、僕が帰る準備をしていると
黒崎の手が、帰る準備をしている僕の手を止めた。



「黒崎?」

黒崎は、ニっとイジワルな笑みで笑うと、そっと僕の耳元で呟いた。
そして、彼の唇が離れると、僕は目を見開いて顔を赤く染めながら、黒崎を見た。



何を言ってるんだ・・・君は!?
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