イチウリ小説

□An important person
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<An important person>


幼い頃、お袋は俺のそばにいて・・・黒崎家の中心的な存在だった。
みんなお袋が好きで、俺もお袋が大好きだった・・・


でも、俺のせいで・・・お袋は死んだんだ。




『ねー母さん、俺ね今日の晩御飯カレーがいいな』

『カレー、いいわね。じゃあ後で一緒に帰りましょうね』



オレンジ色の夕日の光が俺やお袋を優しく包み込んでいた。
河川敷の道を二人で手を繋ぎながら、歩いたのを俺は・・・覚えてる。


お袋の暖かい手・・・その手が気が付くと・・・冷たくなっていたんだ。



気が付くと、冷たい雨が降っていて俺はお袋にしっかり抱きしめられていた。
ただ、そのときみた空は暗闇に包まれていて、息をするのがとても苦しかった。


さっきまであったはずの、優しい夕暮れの光はなくなっていた。


小さな自分の手には、生暖かいお袋の鮮血・・・
俺の上には、冷たくなっているお袋がっ・・・



『母さん・・・母さん・・・うっ・・・うわあああああああああ!!!!!』



オレガコロシタオレガコロシタオレガコロシタ



俺が・・・・殺したっ・・・・・・・
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