イチウリ小説
□一緒に帰ろう
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「うわ!」
ビックリすると、その振ってきたものをキャッチした。
それは暖かな缶コーヒーだった。
「な・・・なに?」
?マークを頭に浮かべながら
缶コーヒーが振ってきた方向を向くと
そこには、マフラーをつけて少し頬を赤くした黒崎がいた。
「黒崎!なんだよ、急に!いきなり缶コーヒーを
投げるなんてビックリするだろ!?」
「へへ、悪い。おまえかなり寒がりだからよ。
だから、買ってきてやったんだ」
「え?・・・もしかして僕のこと待ってた?」
「んなわけあるか。こんな寒いのに・・・。
たまたま親父に缶コーヒー買って来いって言われたから、学校近くの
コンビニ寄ったら、おまえがたまたま出てきたんだよ」
「そっか・・・」
少し残念。
彼がずっと僕のことを待ってるなんてありえないのに・・・・。
期待してしまった自分が、嫌になった。
暖かなコーヒーを頬に当てると
冷たくなっていた頬が、ぬくもりが伝わった。
(あったかい・・・)
と思っていたら、黒崎が手袋をした手で
僕の頬をふわりと包んだ。