イチウリ小説
□家庭科室の出来事 前編
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「うるせえな!なんなんだよ、本匠!」
「いいから!早く入ってよ!」
「だから、俺は今日早く帰らなくちゃなんね・・・・・・・・・って・・・・」
勢いよく開いた扉からは、僕がいつも知っているオレンジの髪をした
男が、扉の外にいる本匠さんに、乱暴に文句を言うと、僕の方を向いて固まった。
「なっ・・・・。石田・・・おまえ・・・・」
「っ・・・くろさき・・・」
固まってしまった。
何で、何で、黒崎がここに!?
しかも・・・この姿・・・こんな姿を見られてしまった!!
僕は顔が青くなり、黒崎の後ろにいる本匠さんをにらみつけた。
すると、本匠さんはニッコリスマイルで笑って、さわやかに
「じゃあ、ごゆっくりー」
「っておい、本匠!!てめえ!!」
バタン。というか、ガチャリ。
閉められた扉に、黒崎は開けようとしたが、外から鍵がかけられた、ため
扉はビクとも動かなかった。
「クソっ・・・。はぁ・・・どうなってんだよ。」
扉のほうを向いている黒崎は、ガクっと肩を落とし、ため息をついた。
完全にハメられた。
本匠さんは最初からこれが目的だったのか?
僕に・・・こんな格好をさせて、黒崎を無理矢理ここに入れさせるなんて・・・
これからどうなるんだろう・・・
そんな不安が、僕を襲った。
つづく。