イチウリ小説
□家庭科室での出来事 後編
5ページ/6ページ
僕は、いきおいよく、黒崎を突き放し重たい腰をあげ、ドアから勢いよく飛び出した。
「あ!石田くん!!」
「・・・一護・・・あんた・・・」
「うるせえな、なんでもねえよ・・・って本匠・・・てめえ・・・」
「おほほほ、黒崎君、どうでした?石田くんの、“あの姿”は」
「っ!!てめえ!!」
「何、どうしたの?黒崎くん?」
「一護アンタ!石田に何かさせたの!?」
「いや、違う!それは本匠で・・・」
「あーら?なんのことかしら?」
「てめえ!!」
そんな4人の会話が廊下中に聞こえた。
僕は顔を赤くしたまま、男子トイレにかけこみ、ドアを閉めてそのまま
壁に身体をあずけ、ふぅっと息をついた。
「本匠さん・・・絶対に・・・許せない・・・」
涙目になりながら、下唇をかみ、小さな声で言った。
彼女が、すべて僕と黒崎をこういうふうにしようと、巻き込んだんだ・・・。
最悪だ・・・そう思いながら、今後一切、彼女のお願いは聞かないでおこうと心に決めた僕だった。
END