イチウリ小説
□少し早いクリスマス
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「な?いいだろ?」
「・・・嫌だ・・・」
「いいじゃねえかよ。別に高いものを買ってくれって言ってるわけじゃねえし」
「だからって・・・・・わかった・・・」
「センキュー石田」
黒崎はうれしそうに笑うと、僕ははぁっとため息をついて
「じゃあ」っと言って僕は教室を後にした。
教室を出て、家庭科室へ向かう途中、僕は足を止めた。
そして鞄の中に入ってあるものを取り出した。
ピンク色の紙でキレイにラッピングされたものを見て、僕は今日何度目かのため息をついた。
(渡そっかな・・・)
黒崎に、さっき耳元で言われたものがすでにこの中に入っている。
『クリスマスプレゼントにマフラーがほしい』
そう言われた。
黒崎はこの12月の冬なのにマフラーをしてきてないのを、知っていたから
プレゼントに渡そうと思ったのに・・・。