イチウリ小説
□Xmasの夜に
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恐る恐る目を開けると、そこにはいつも見慣れているオレンジの髪が見えた。
「な・・・に?」
「よう、遅くなって悪かったな、石田」
「・・・黒崎??」
潤んだ視界には、しっかりとオレンジの髪をした黒崎を
映していた。
「お、おい!てめえ・・・なんなんだよ!?」
「あぁ?それはこっちの台詞だっつーの・・・。人の恋人に手出しやがって・・・
なんなら、もう一発殴るぞ?」
「いや・・・あの・・・すみませんでした!!!」
男二人は、怯んでそのまま人ごみの中へと消えていった。
僕は潤んだ今にも、こぼれそうな涙を服でふくと、黒崎はそっと僕の頭を撫でて
そのまま、抱きしめた。
「石田、わりぃ・・・遅れて・・・俺のせいで、おまえは・・・こんな目に・・・」
「・・・ううん、別に・・・いいよ・・・。もう・・・君が来てくれたことが、うれしかったから。」
「石田」
彼の背中に手を回して、黒崎の胸元に顔をうずめた。
正直、さっきは怖かった。
本当にどこかへ連れて行かれるかと思って・・・自分の力が通用しないのも
むかついて、抵抗しようにも出来なくて助けてって思ったら
黒崎が来てくれた・・・。