イチウリ小説
□好きだから
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「・・・景色が生き生きしてる・・・」
「ん?どうした?」
「・・・ううん、別になんでもないよ・・・」
「ふーん。なぁ石田・・・」
「ん?」
黒崎は僕の方に振り向き少し恥ずかしそうに言った。
その言葉に僕は顔に熱が走る。
「今日のおまえ・・・なんかいつも以上にキラキラしてるっつーか・・・可愛いな」
「は?ちょ、いきなり何////?」
「んーなんつーか・・・表情が優しいというか・・・可愛いというか///」
「いきなりなんだよ!もう恥ずかしいじゃないか!!」
「んな、怒るなって!本当に・・・今日のおまえは可愛いぜ」
黒崎がこういうこと言うなんて珍しい・・・
嘘をつけない彼だから、これは・・・彼なりに考えて言ったことなんだろう。
そう思ったらますます恥ずかしくなって、黒崎の腹に回していた腕に力が自然と入る。
ぎゅっと黒崎を抱きしめて、僕は顔を赤くしながら言った。
「男に可愛いって言われても嬉しくないよ」
「・・・でも、本当だからさ・・・」
「・・・キミにそんなこと言われたら、調子狂っちゃうな・・・本当に・・・でも、ありがと////
恥ずかしいけど、すっごく恥ずかしいけど・・・有難くその言葉は受け止めておくよ」
「はは、じゃあ受け取ってくれよ。俺も恥ずかしくて今死にそうだけどな。」
「だったらそういうこと言うな」
「へーへ」
「むかつく、その返事の仕方」
「わりぃ」
自然と互いからは笑顔が浮かんで2人でハハっと笑った。
黒崎とこうして笑うのも久々なような気がする。
お互いいつも不器用で、恥ずかしがりやだからどちらかが素直にならないといけないんだよね。
でも、今日はなんだか素直な感じだからこうして笑える。