擬人化アンパンマン小説

□敵と敵
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「っ・・・・」


起き上がろうとしたら、突然腰に激しい痛みが走った。
そして、起き上がろうとしたが、あまりにも腰の痛さとダルイ体にまたベッドにもどった。


「痛い・・・というか、なぜ俺様は体が痛いのだ?」


頭に?マークを浮かべたバイキンマンは、シーツにくるまって、何回も考えたが思い出せない。
しかもなぜ全裸なのだ?わけわからない。
体中には、なぜかキスマークがあるし・・・・

どうなっているのだ?っと小首をかしげた刹那、バイキンマンの後ろで何かが動いた。


「・・・えっ?」



後ろを振り返ろうとしたとき、後ろにいる“何か”の腕が、バイキンマンの体を抱きしめた。

「ひっ!」

体格のいい腕に抱き寄せられ、後ろにいる“何か”が自分の背中に顔をうずめた。
自分は、華奢な体で、全体が細くて、色白という男にしては最悪な体だが
後ろにいる“何か”は、男があこがれる体格だった。



「誰だ!おい、後ろにいるやつ!離せ!!」

「・・・いい香りだね。君の髪は」

「っ!」


突然、聞き覚えのある声に、バイキンマンの体は硬直した。
というか・・・なぜ、おまえがここにいるのだ??

バイキンマンは、恐る恐る後ろを振り向いた。


そこには、間近で自分を抱きしめて「やあ、バイキンマン」っとにっこりと
キレイな笑顔を向けたアンパンマンがいた。



思考回路停止。



「・・・きゃーーーー!!アンパンマン!」

「うるさいよ、バイキンマン」


バイキンマンは、慌てて上半身を起こし、シーツを抱きしめて、涙目で横で寝転がっている
アンパンマンを睨んだ。


アンパンマンは、冷笑して「何、驚いているんの?」っと言った。
まさか、まさか、俺様はこいつと・・・関係を持ってしまったのか!?

たちまち、白いバイキンマンの顔はますます青白くなり、またベッドへ倒れこんだ。



(俺様が・・・なんで、なんでコイツと!!)

しかも、なぜ敵と体の関係を持たなければならないのだ。
因縁のやつと!!昨日の記憶もないバイキンマンは、ショックでガクっと肩を落とした。


そんな彼に、アンパンマンは起き上がり、バイキンマンの上に馬乗りし、そっと彼の唇に己の唇を重ねた。
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