頂き物

□信じてくれるから
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隅にうずくまっていたサクラに声を掛けたのは、私にとってはそれが当たり前のことだったから。

だって、困ってる人には手を差し伸べる、これって人として当然のことでしょ?

サクラの他にだって、困ってる子はたくさんいたし、そういう子たちにだって笑って手を差し出した。

私に出来ることだったら、してあげたいじゃん?





けど、そんな中で、私がサクラと仲良くなったのは、サクラが他の子たちと違ってたからだ。










「いのちゃん」

控えめな笑みを浮かべながら、サクラが小走りでやってきた。

「やっほーサクラ!」

私は片手を大きく振ってサクラを迎える。

サクラが安心したように笑みを大きくするのが見えた。

「何してるの?」

軽く息を切らせながら、上目遣いで私を見る。

「これからするとこ。今日はみんなでかくれんぼやんの。サクラも来なよ」

私は自然な流れで声を掛けたけど、サクラは何だか浮かない顔。

あんまり乗り気じゃないのかな?

するとサクラは言いにくそうに、モジモジしながら下を向いた。

「嫌じゃないかな、私がいたら」



私は一瞬キョトンとして、それから頬を緩めた。

「なーにつまんないこと気にしてんの。人数は多いほうが楽しいに決まってんじゃん」

その言葉にサクラはパッと顔を輝かせる。

「うん」





この子は自信が持てないんだ。

みんなが自分を受け入れてくれるかどうか。

それは、心無い人間のからかいのせいであり、

それから、サクラがまだ自分自身を好きになれていないからでもある。



私はいつか、この子が自分で自分の魅力に気付けたらいいのにって思うのよね。
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