頂き物
□大蛇丸アジトにて
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その時、頭上で大きな爆発が起きた。
激しい落石を避けつつ、二人はすぐさま臨戦態勢を取る。
光を遮っていた天井が取り除かれ、暗いアジトの中に日の光が差し込んだ。
暗闇に慣れた二人はその眩しさに思わず目を細める。
「よお、お前ら」
二人はハッとした。
見えない目を必死にこじ開ける。
上から、聞き慣れた、今まで探し求めた声が聞こえてきたからだ。
──あれは…
──あの声は…
「サスケ!」
「サスケくん!」
二人はその姿をしっかりと捉える。
遥か高い崖の上から二人を見下ろしていたのは、他でもない、サスケその人であった。
悠然とその場に佇むサスケ。
しかしその表情は、激しい感情を必死に抑えつけるかのように、危うげな緊張に満ちていた。
瞳は険を含み、口元はヒクヒクと引きつっている。
──あ…れ…?
──サスケくん…どうしたのかしら…?
二人はサッと視線を交わし合う。
「お前ら、人のこと随分好き勝手に喋ってくれてたみたいじゃねぇか」
サスケは、鎮まれ、と言い聞かせるように両目を閉じた。
しかし、引きつった口元はそのままである。
二人はギクリと肩を強ばらせた。
──サ、サスケくん、さっきの話聞いてたの…!?
人に聞かれたくない一面だったはず…
怒るのも当然だわ…!
──あ…あいつ人の話盗み聞きしてたのか…。
結構悪趣味だってばよ…。
「誰が理科実験室で人体模型と会話してたって?ナルト…」
ナルトは空笑いをして後退る。
「だ、だってオレ見たんだってばよ…。小せぇ頃、お前が理科実験室で何かブツブツ呟いてるところ…」
サスケはいよいよ青筋を立てる。
「くノ一クラスの女が一緒にいたんだよ。お前の覗いた角度から見えなかっただけだ」