頂き物
□大蛇丸アジトにて
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「へ?」
「理科実験室の前を通りかかったら、その女にいきなり中に引っ張り込まれた。それだけのことだ」
「ひ…引っ張り込まれたって、サスケくん、その子とどんな話したの!?」
サクラは聞き捨てならないと言った様子でサスケを問いただす。
サスケは、一瞬押し黙り、素っ気なく言い放った。
「お前には関係ない」
──絶っ対告白だわ!
しゃーんなろー!!
でも、サスケくんってやっぱりモテるのね…。
そんなサスケくんも素敵…!
──あれ?あれ?なんかサクラちゃん目がハートマークになってるってばよ。
んじゃ何か?
オレってば、サスケのイメージダウンを狙ったつもりが、逆にサスケのイメージアップさせちまったってことか?
「…で?オレが理科実験室で、何だって?ナルト…」
バチッ…という音がどこからか聞こえた気がした。
ナルトとサクラはサッと青ざめる。
「ま…まぁまぁサスケくん、ナルトだってただの勘違いで…」
サクラの助け船に、ナルトが力一杯頷く。
「サクラ…」
「はっはいっ!」
「お前もオレの趣味がどうとか言ってたよな…」
サクラがヒーッと仰け反った。
バチバチという空気の悲鳴はますます大きくなってゆく。
今では、サスケの身体は目に見えて帯電していた。
「待てっサスケ!おぉぉ落ち着け!」
「サスケくん、話し合いましょう!」
「千鳥流し!!!」
その日、大蛇丸アジトには、裂けんばかりの悲鳴が響き渡った。
「サスケくん、今日は一段と元気なのね…」
大蛇丸は聞こえてきた破壊音に、そう呟いたという。