嘘つきピエロ

□太陽とピエロ
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「あっちぃ!」

「まだ4月っすよー」


日陰にあるベンチでだれる赤也くんとブン太くん。


まだ4月というのにおとといあたりからずっと日差しが強く、太陽がフル活動で働いていた。
もちろん、今日の暑さも異常。地球温暖化が急速に進み始めていることもよくわかる。
 
私も長袖長ズボンにつばの広い女優帽で日焼け対策は万全だけど…。


ここ最近ずっとこんな生活が続いているため、体調も崩れ気味。
ゆうちゃんにもご飯や買い物言ってもらってるし、体が徐々に言うことを聞かなくなってきていた。



「こら赤也にブン太、休憩する暇があったら練習して」

「ちょ、部長きびしいっす!」

「そうだぜぃ。暑くないのかよぃ幸村くん」

「暑いのは一緒だから。ほら、立って早く早く」
 
「赤也、俺が相手してやるぞ」

「っげ!」


額に汗を浮かべながら指導する精市くんに、真田くん。
さすが部長と副部長なだけあって、責任感や健康管理には気をつけていることがよくわかる。

レギュラーメンバーに1・2年生も、少ないながらにランクを上げようと休まず練習している。


王者立海のすごさが少しずつだけど、わかってきた。
あの鉄拳や神の子がいる限り王者の二つ名は消えることないと思うけど。


「ふぅ、」


帽子をとって日陰へ入る。

遠目からだけど、部員1人1人を見て怪我をしてないかチェックするのもマネージャーの仕事。
視力は結構、というかかなり良いほうだから精市くん直々にお願いされた。


ブン太くんの怪我を発見して以来、いろんな仕事がプラスされていった。


応急処置は当たり前だけど、フォームのチェックに怪我のチェック、部員の健康管理やサポート。
本来ならば自分でやるものだけど、信頼してくれているのが十分わかるしわたしとしても嬉しいこと。
 

「ひな、顔いろ悪いぜよ」
 
「…っひぅ!」
 

突然後ろから話しかけてきたというか後ろから顔を出してきた雅治くん。
びっくりというか尻もちつく勢いです。
 

「ちょっとは休憩したらどうじゃ」
 
「……だいじょうぶです」
 
「体調崩したらお仕置きナリ」
 

どんなお仕置きなのでしょう。
 


聞きたかったけれどいつのまにかいなくなっていました。
………流石ペテン師。
 








(おわったー!)
(腹減った、早く帰ろうぜぃ)
(お疲れ様です)
 

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