嘘つきピエロ
□嘘つきピエロ
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嘘つきピエロは言いました
「キミが笑ってくれるなら、大丈夫。
痛くもかゆくも、ないんだよ」
嘘つきピエロは泣きながら言いました
「ダイジョウブ、ダイジョウブ…」
女の子は言いました
「あなたの嘘が悲しいの。
怪我したときは痛いって、つらい時は喚いて、
恥ずかしいことはないんだよ」
女の子は言いました
「大丈夫、上手く笑えなくていいの。
もう二度と、嘘がつけないように。
私も一緒に泣いてあげる」
そうして、嘘つきピエロはいなくなりました
ちいさなちいさな、ピエロのおはなし――