暁雪

□青嵐
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「…起きろヒスイ」

ゆさゆさと揺すられてヒスイははっと目を覚ました。いつの間にかちゃんとベットで寝ている。

「あれ?明るい」

「当たり前だ。もう朝だからな」

2人で朝ご飯を食べながらヒスイは今思いついたかの様に口を開いた。

「羽隠れの里でのイタチの扱いなんだけどさ。相談役にしようかと思って」

「相談役?」

ふとイタチの箸が止まった。

「ずっと邸のなかにいるのも嫌でしょ?でも“暁”の仕事もあるみたいだから正規の忍にはできない」

ちらりと憎悪のこもった横目で壁にかかった暁のコートを見た。自分の曾祖父が何らかの形で暁にいることくらい知っている。それも幹部クラスで。イタチが良いように使われているのが気にいらない。

「相談役だったら里にずっといられるし、留守にしても目立たない。イタチは頭いいからちょうどいいよ」

「次席ですぐ後ろについてきた癖に」

「私の抑えにもなるし」

ヒスイはにこりと笑うとまた箸を動かし始めた。


イタチはしばらくフリーズしていた。まさかこうまで簡単に受けいられるとは。自分の“居場所”ができたことに自然と頬が緩むのがわかる。


「ありがとう」

十も呼吸したころ紡がれた言葉にヒスイはこっそり微笑んだ。



「当たり前じゃない。夫婦なんだから」
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