火雲

□憧‐T
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「「みーつけたっ」」

「よくやったな、あやみ、サスケ。でも……残念」

「「えええ!?影分身!?」」

今日もうちは居住地区近くの森では元気な歓声が上がっていた。

「オリジナルはどこだ?あやみは何処だと思う?」

サスケがくるりとあやみを振り返った。
サスケとあやみは双子として育っている。僅かに早く生まれたあやみが一応姉なのだが産まれてこの方彼女が姉と呼ばれたことはない。

「んー…あっちかな」

あやみはそう呟くと地を蹴った。サスケが慌ててそれに続く。

しばらく走っていくと木の裏に兄の服の裾を見つけた。

…よく見たらあっちのうろからも兄さんの靴の先が見えてるような…
少なくともどちらかはまた影分身ということだ。

サスケも二人のイタチを見つけたようで散々迷った末まさかさっきと同じような所には隠れないだろうとうろの裏側に回り込んでいる。

「(木の裏の兄さんの方が落ち着くチャクラの感じだな。…サスケはあっち行ってるし)」

あやみは一気に駆け寄ると木の裏側に回り込み、イタチに飛び付いた。

「兄さんみーつけたっ」

うろの方でもほぼ同時にサスケの声が上がっていた。

あやみの体はしっかりと抱き止められると、ポンと頭に手が置かれ優しく撫でられた。

「サスケはまた残念賞だな」

イタチはうろの方を見やりいたずらっ子のように笑った。彼の視線の先では影分身に残念宣告されたサスケが情けない声を上げていた。



「なんであやみはそんなにかくれんぼ強いんだよ。兄さん、もう1回やろう!今度はオレが先にオリジナルを見つけるぜ!」

「サスケ、もう暗くなるから帰ろう」

イタチがそう言った瞬間サスケが不満を漏らす。イタチはそんな彼を宥めながら弟妹の手を引き帰路に着いた。
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