火雲
□憧‐\
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「兄さん、おはよう!」
「…ああ、おはよう」
「今日も任務?」
「そうだ…今日も帰りは遅くなるだろう」
「…最近多いね。里も大事だけど自分のことも大事にして?」
イタチは無言であやみを見下ろした。
ここ何ヵ月か両親や上司に言われてきた言葉とは反対に近い言葉。
彼はほんの少し泣きそうな顔で妹の頭をくしゃりと撫でた。
「あやみおはよう」
「あ、サスケおはよう」
朝の廊下をペタペタと歩く。向こうから歩いてくる父の姿を認めて2人は揃って頭を下げた。
「「おはようございます、父さん」」
「おはよう。そうだ、最近忍者学校はどうだ?」
サスケとあやみは一瞬目を見合わせた。
「つまらないよ。オレとあやみがいつもトップだから」
フガクは、そうかと低く呟く。そしてサスケとあやみに提案した。
「朝ごはんを食べたら火遁の術を教えてやろう」
まだ幼い2人の目は一気に輝いた。
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
掻き込むように朝ごはんを食べ、着替えをして、逸る心を抑えながら玄関で父を待つ。
「あやみ、オレたちやっと火遁の術を教えてもらえるんだ」
「うん、これで術を会得したられっきとしたうちは一族として認められるんだよ」
やがて玄関と居室を隔てる扉が開き、父が出てきた。
「行くぞ」
「「ハイ!」」