氷輪

□虎児
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「なんと…この段階で情報が漏れるとは…」

「鬼鮫が生きてたとはな」

忍連合軍本部のある雲隠れの一室でやや重い空気が流れていた。

その原因は、先ほど入った1通の報告書だった。

実は鬼鮫が生きていて、それを見つけたはいいが自害され、挙げ句口寄せの鮫に情報を持ち逃げされた。

「あの島もいつまで安全か分かりませんね」

「ええ、動いてはいても情報にあった座標の近くを集中的に探せば良いですし」

「そうだ、月影、島亀をお前の神威で長距離移動させて「無理です」…むぅ」

雷影の提案を一蹴し、ヒスイはため息をついた。
島亀を飛ばせだなんて簡単に言ってくれる。サイズを考えてほしい。
いや、イタチの死とその他もろもろの不幸で瞳力が跳ね上がった今、もしかしたら本気でやればできるのかもしれないが、あれだけ大きいものを飛ばしたら少なくともしばらく動けなくなってしまうだろう。

…というかもし失敗したら島亀が時空の歪みでちょん切られちゃうって分かってるのかな

「ならばわしが行こう。お前らはのんびり待っておれ」

「いや、オレが行こう。年寄りに無理をさせるわけにはいかん。砂で飛べば速い」

「なんじゃと、若僧!ここはわしにまかっぁあ腰がぁあ!!」

「やはりオレが」

「大丈夫じゃ!わしが行く!!」

ヒスイは言い争う2人から思わず視線をそらせた。

ペインの木の葉襲撃の際のダメージから無事回復してきた綱手と目が合い、つい苦笑する。

島亀の元に行くのは土影に落ち着きそうだった。
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