暁雪

□銀煙
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ヒスイは微かに身震いした。

火の国を出たとたん寒くなる。どんだけ国の名前で気候変わんだよ、と内心突っ込みながら歩みを進めた。

今、ヒスイは雷の国方面へ向かっている。とはいっても雷の国に行く気はない。途中の港から水の国に渡るつもりだった。

サスケとカカシの話によれば嘉宮の一族は滅びてしまったらしいが、水の国は以前潜入捜査をしていたこともあり、勝手が知れている。

港に出るため月の国を歩いていたヒスイはふと目を細めた。

とても静かな村だ。生きている人間が沢山いる気配なのに、物音一つしない。静かすぎる。

「ウォォォ!!」

二小隊、八人程度の忍達が雄叫びを上げながら突進して来てヒスイにクナイの雨を浴びせた。ヒスイは下手に騒ぎになることを恐れて物陰に身を潜めながら様子を窺った。

額当てには三日月があしらわれ、月忍を表している。指名手配されたうえの追い忍ということも考えられたが階級は恐らく中忍で元上忍暗部の相手にはとてもならない。

じゃああいつらは何なんだ?不法入国の取締忍か?

頭に?マークを沢山浮かべていたヒスイだが、思わず自分の目を疑った。

不法入国者の自分を狙うのかと思いきや、忍達は民家に吸い込まれていく。悲鳴が空気を切り裂いた。
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