Doll《自由を許されない少女》
□被験体
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今日も暗い檻の中。
天井には監視用カメラが24時間私を見つめる。
私は部屋の隅で小さく膝を抱える。
何を考えるわけでもなく、ただボーッと。
服は布一枚のように薄いワンピースみたいな感じのモノ。
ここでは、この服を着るのが強制されている。
胸のとこには4桁の識別番号、そしてバーコード。
これも、強制。
首筋には首輪が付けられ手には枷(かせ)が付けられている。
私たちから自由を奪う為に・・・。
檻の中に取り付けてある鏡。
化粧なんて出来るわけない、だからもはや部屋飾りみたいなもの。
そこには今の自分の姿が映し出される。
胸に届きそうなまでに伸びた髪。
虚ろな光を宿した闇色の目。
病人のような白い肌。
そんな自分を鏡で見るたび、私は口の端を釣り上げ静かに嘲け笑う。
自分の存在を馬鹿にするように。
やがて聞き慣れた嫌な音が聞こえてくる。