Doll《自由を許されない少女》

□被験体
2ページ/6ページ

今日も暗い檻の中。

天井には監視用カメラが24時間私を見つめる。

私は部屋の隅で小さく膝を抱える。
何を考えるわけでもなく、ただボーッと。

服は布一枚のように薄いワンピースみたいな感じのモノ。
ここでは、この服を着るのが強制されている。

胸のとこには4桁の識別番号、そしてバーコード。
これも、強制。

首筋には首輪が付けられ手には枷(かせ)が付けられている。
私たちから自由を奪う為に・・・。

檻の中に取り付けてある鏡。
化粧なんて出来るわけない、だからもはや部屋飾りみたいなもの。
そこには今の自分の姿が映し出される。

胸に届きそうなまでに伸びた髪。
虚ろな光を宿した闇色の目。
病人のような白い肌。

そんな自分を鏡で見るたび、私は口の端を釣り上げ静かに嘲け笑う。
自分の存在を馬鹿にするように。

やがて聞き慣れた嫌な音が聞こえてくる。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ