聖闘士星矢
□バレンタインデー
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2月14日――。
バレンタインデー当日のこと。
城戸邸に、甘く幸福に満ちた時間がゆっくりと流れた――。
それは、城戸邸の一室。一輝の部屋でのこと。
「――…ん、ぁっ…」
戸惑いがちに紡がれる甘い吐息。それに混じって、小さく囁く声がした。
「…瞬。あまり俺を欲情させないでくれ…我慢が効かなくなる」
耳許で囁くソレにも、瞬は身体を振るわせた。そんな瞬を、自分の膝の上に跨がせ、向かい合う形をした一輝が苦笑した。
「ん…、だって…に、さん…」
瞬は一輝の顔を見詰め、眉を寄せた。
「…瞬は相変わらず感じやすいようだな。」
「…っ、そんなこと…なぃ‥もん…」
瞬は恥ずかしさから顔を背けた。そんな瞬を愛しげに見詰め、ゆっくりとした動作で瞬の柔らかな若草色の髪を撫でた。
「…俺は嬉しいぞ?瞬。お前が俺の愛撫で感じてくれているなら」
一輝の言葉に、瞬はそっと顔を向け、じっと一輝を見詰めた。そんな瞬に、一輝は優しく笑い口づけた。
「‥ん、‥にぃ、さん…」
触れるだけの口づけから、今度は啄むような口づけに変わる。
「…瞬。お前に貰ったチョコ。有り難く頂戴するぞ」
手に掲げて見せた可愛い赤のラッピングの施されたチョコを、瞬は頬を染め頷いて応えた。その様子を、一輝は黙って見ていたが、急に瞬の身体を弄り始めた。
「!!やっ…、兄さんっ!!///」
「ふ…。瞬よ、嫌なら全力で抵抗しろ。でなければ止めん」
意地の悪い笑みを浮かべる一輝に、瞬は最早涙目。
「そ、なっ!んんっ…」
チュッ――
瞬の細く真っ白な首筋に音を発てて口づけた。
「…ねっ、今日はだめ…」
弱々しく拒否する瞬。
しかし、一輝は止めようとはしない。寧ろ、先程のただ愛でているだけの優しい行為を止め、徐に瞬のスボンに手を差し入れた。
「やぁあっ!!にぃ‥さんっっ!!だめぇ‥///」
必死にその手を止めようとするが、一輝の指先が瞬の中心をやんわりと揉みしだいた。それにより、逞しい一輝の腕を掴んでいた手から力が抜けてしまった。
「んあっ…、やあぁっ!……」
華奢な身体が一輝に凭れかかる。
一輝は一度ズボンから手を抜き、瞬のズボンを下着ごと脱がしてしまった。
「いらんだろ。これ。」
そう言う兄を睨んでみたが、何の効果もなかった。
「…きょ、はしなぃって…!」
「誰が言ったんだ?俺はそんな事、一言も言ってないぞ」
じっと瞬を見据える一輝は、どこか嬉々としている様にも見えた。
「…明日、出掛けるんでしょ?…僕、歩けなくなる……」
明日は兄と出掛ける約束。しかし、このまま行為に及べば、瞬は自力で歩く事が出来なくなる。
瞬は兄にそう訴えたが、この兄はそんな事何一つ気にしてはいなかった。